八峰の湯を出てからは、とにかくペースを上げないように慎重に下った。
リエックスの下りで、士気を高める目的でちょいと気合を入れた分、大腿四頭筋を休ませてあげたかったのだ。
先行する選手に追いついても、意図的に間隔を空けて抜かないように気をつけた。

下り切ったあとの、松原湖への短い登り坂でも速歩モードを交え、おじちゃんの私設エイドで水を飲んで雑談し、「松原湖入口」手前の公式エイドで苺やぶどうを頂いた。
国道の信号が点滅を始めたのでダッシュで渡り、線路誘導のスタッフさんに挨拶し、橋を渡って小海へ向かう。
<45km地点>(予定:4h17’00 実績:4h23’46 LAP予定:16’00 実績:17’03)
例年、ここから小海までの間は、野辺山のコース内でも稀な平坦区間であり、気持ちよくロードランできる。
今回も、そのつもりで走っていたのだが、突然、本日2回目の異変に襲われた。
またもや、いきなりの胃袋鷲掴み状態となり、空き地の隅に飛び込んで嘔吐。さらに、三、四歩進んで、また嘔吐。
自分の意思に反して腹筋を勝手に使われるので、消耗度が大きい。肩で息をしているのがわかる。
脚は余裕があるので、何が起きているのかよくわからない。
気を取り直してトコトコ走り出すが、200mほど走ったところで、また嘔吐。今度は四つん這いになる。
もう胃液しか出ないけど、それでも、涙は一杯出る。
(勝手に人の胃袋握るのやめてくんないかな~。福○書店の武井咲ちゃん握手会とかだたったら、どんなに強く握られてもいいんだけどな…)
辛うじて小海エイド手前の50kmラインを通過すると、ちょうど、S木さん、さっちゃん、S口さんの応援部隊が車を停めて降りてくるところだった。
<50km 小海エイド>(予定:4h42’00 実績:4h49’22 LAP予定:25’00 実績:25’36)
「うさ吉さん、速過ぎ~!」とS木さんに声をかけてもらうも、「でも前回より10分くらい遅れてるんだよね…」と答え、嘔吐連発でちょっと体調悪いからここで休んでいく旨を伝える。
…と言いつつ、とりあえず蕎麦を食べる。リタイアする気はない。喰わなければ最後までもたない。
蕎麦を食べ終わってから、しばらく様子を見るが、やっぱりしばらく休むことに決め、エイド裏の屋内に入れてもらって、横になる。
蕎麦打ちの傍らで、床の上でゴロンと横になる。
しばらく目を閉じてボッ~としていたが、汗冷えで体温が下がり、筋肉が固まってくるのがわかる。毛布を借りて、身体に巻きつけて、しばらくウトウトした。
30分以上眠ったようで、起きてトイレに行ってもう一度吐き、その分の補給をすべく、シューズを履いてまたエイドを覗く。
S木さんに尋ねると、その後、知り合いは二人くらいしか通過していないらしい。あと10分もすれば弐号が到着する頃なので、それを待って北相木までゆっくりペースで行こうと思った。
で、食べられそうな物を無理矢理食べ、味噌汁を飲んで胃を落ち着かせる。
痛止めや胃薬も常に携行しているが、どうも今回はそういう類ではないような気がしたので、使わなかった。
M浦さんなどお知り合いが次々に到着し、やがて弐号も到着。下りで膝を痛めて、すでに完走は赤信号らしい。登りはまだ行けそうだという。
弐号が蕎麦を食べ終わるのを待ち、一緒に北相木へ向かった。
<小海エイド出発 予定:4h46’00 実績:5h33’47 滞在44分>
ここから先は、弐号のペースに合わせた。序盤は、自分の身体が固まっていたこともあって、弐号が先行する場面もあったが、川又分岐を過ぎてからは自分が前を行き、時々弐号が追いつくのを速歩で待つ、という展開になった。
<55km地点>(予定:5h16’00 実績:6h06’30 LAP予定:30’00 実績:32’43)
途中、北相木から折り返して来たぎっぺさんに声をかけられ、直後、EnjoyLifeさんとも挨拶を交わした。
今回、自分と弐号の昔の同僚が、翌朝の金環日食をリエックスホテルで観るというプランに訪れており、自分と弐号の各ポイントの通過予定時刻を事前に知らせていた。
普段は、携帯やデジカメを持って走っているのだが、今回は、練習量と目標タイムの余裕がないので、余計な装備は省いてしまった。
なんとか、この遅れを先方に伝え、自分達への応援を諦めて観光に向かうように伝えたいのだが、その術がない。
”「滝見の湯」に12:15前後に到着” という予定時刻が迫ってきており、内心焦っていた。
このあたりで、もう二人とも、「今日は北相木で終わりにして、バスで駐車場まで戻って連絡を取ろう」という方針に落ち着いていた。
<59km 北相木村役場着>(予定:5h43’30 実績:6h32’06 LAP予定:23’30 実績:25’36)
今年は、初めて北相木にデポ袋を置いてみた。過去のレースでは、毎回42kmと87kmに置いていたのだが、87kmのデポ品を使ったことがなかったのだ。42kmデポをスルーした場合のことを想定して、補充用のサプリや塩せんべい、テーピング一式などを揃えていた。
リタイアバスの時刻を確かめると、あと1時間半も待たなければならない。
弐号と相談し、とりあえず、トイレに行く。結局、室内トイレの列に2回も並んだ。
今回、スポンサーさんの交代により、公式スポーツドリンクがWGHウォータからバームに変更になったのだが、実は、私は、バームだけは相性が悪く、必ずお腹が緩くなるので、普段は一切口にしないことにしている。そんな事情もあり、嘔吐に加えて下痢である…。
バスの発車までゆっくり待つつもりだったが、あまりにも時間があり、「歩いてよければ滝見までは行けると思う」と弐号が言うので、そうすることに。
青白い顔をしたM浦さんが気分悪そうにエイドに到着。「まだ7時間もあるから、歩いても完走できるよ」と、WGHProを一包進呈した。
天候が怪しくなってきたこともあり、汗で濡れたシャツを着替えて、のんびりと歩き始めた。
<北相木出発 予定:5h43’30 実績:7h08’50? 滞在37分>
弐号は、平地と下りは全く走れなくなっていた。自分は、勝手に、歩く=速歩と理解していたのだが、本当の歩きペースでの移動となった。
<60km地点>(予定:5h51’00 実績:7h21’48 LAP予定:07’30 実績:12’59)
普段、レース中にあまりお会いしない方々にも大勢抜かれた。
北相木へ向かう反対車線の後続ランナーに知り合いを探しながら、「サラリーマン!急げ、遅刻だ~」とエールを送ったり、某社長の姿を確認したり、初出場のK沢さんにエールを送ったりしながら、完全にギャラリーモードで遠足に勤しむ。
川又分岐まで戻る下り主体のこの区間、いつもは走ってるからあっという間に通過するのだが、歩いてると、流石に長い。
途中、S木さん、さっちゃん、S口さんの移動私設エイドに遭遇し、雑談しながらコーラを頂いた。
「僕、50kmから60kmまで移動するのに、今日、2時間半もかかってんの!」と笑い飛ばす。
結局、川又分岐まで下る間に、サラリーマン氏にも抜かれてしまったが、逆に滝見に向かう登りに入ってからは、周囲の選手とは反対に弐号ちゃんの逆襲が始まる。
<65km地点>(予定:6h22’30 実績:8h14’14 LAP予定:31’30 実績:52’25)
傾斜がきつくなるほど、パワーウォークでグイグイとゴボウ抜きし、サラリーマン氏も某社長も逆転し、滝見の手前の平坦路までたどり着いた。

<70km地点>(予定:7h05’10 実績:9h06’44 LAP予定:42’40 実績:52’31)
ここで、一気に大勢に抜き返されるのかな?と思いきや、意外に誰にも抜かれず滝見の湯に到着した。
ここに至るまで、対向車両や沿道の応援者の顔をガン見してきたのだが、元同僚の姿が見つからない。滝見の湯の手前の駐車場でも目をこらしてみたが、発見できず…。(あとで聞いたら、どうも、その頃は湯船に浸かっていたらしい)
八峰の湯でも応援してくれた女子高生(?)3人組が、ここでも名前を呼んで黄色い声援を送ってくれた。
<71km 滝見の湯着>(予定:7h09’30 実績:9h12’08 LAP予定:04’20 実績:5’34)

とりあえず、エイドの蕎麦を食べて一息つく。71kmの部のゴール地点でもあるので、ここからはシャトルバスが頻繁に出ているらしい。
この時間帯に滝見にいる選手は、アクシデントさえなければ、まだ100km完走は充分達成できるポジションだろう。
スタッフさんにナンバーカードとチップを返却し、71km完走者と一緒のマイクロバスで100kmゴール地点まで戻る。
途中、雨が少し降り出していた。
車窓越しに、後続の知り合いの動向を確認する。K沢さんが滝見の関門に急いでいる姿が見えた。
【その後】
15時半頃にゴール地点に戻ってトン汁と蕎麦で身体を温め、体育館に入ると森さんに遭遇、しばらくお喋りする。
その後、駐車場で着替えを済ませ、元同僚に連絡し、無事合流。ランナーズアップデートが10km間隔で情報更新されていると思ったら、20km間隔だったらしい。お互いに、かなり真剣に相手の姿を探していたらしく、とんだ迷惑をかけてしまった。(これまでも、長野マラソンの応援などをしてもらう際にも、予想通過時間を事前連絡し、ほぼピッタリに走行していたので、これだけ予定時刻から遅れるとは、何か起きたんだな、とは察してくれてはいたようだ)
またあらためて長野で一席設けましょうということで別れ、再びゴール周辺へ移動。惜しくも11時間切り選手のゴールシーンは見逃してしまった。
さて、弐号が87km地点にデポした荷物がなかなか戻ってこない。
お知り合いの皆さんとゴール付近でお喋りしながら、結局19時過ぎまで残留してしまった。
…と、まあ、こんな感じで終わった。