北相木から川又までは、基本的には下りなのだが、時々、あれ?と思うような登りもあって、それほど楽ではない。
路肩が小川のようになりはじめており、油断すると水溜りに踏み込んでしまう。去年は、かなり元気にこの下りを駆け下りたのだが、今回は、体調と、この先の滝見までの登りを考えると、気持ちが沈む。
唯一の折返し区間なので、誰かに会うかと思っていたが、結局知り合いには会わず、代わりに、後ろから追いついて来た長野市のランナーさんに声をかけられた。初めての野辺山らしいが、この位置にいるとは、なかなかの強者だ。この先のコースの様子を簡単に説明し、「自分はもうすぐ完走狙いに切り替えるので、ここを下りきったら歩きますよ」と宣言しておいた。
川又分岐を左折し、滝見までの登りが始まった。すぐにエイドが現れ、ここでさきほどのランナーさんと別れ、ひたすら速歩もどきで着実に進む。
ほとんど走らない。抜かれても気にならない。でも、まだ去年よりは貯金があるはずだ。
そろそろ、肩から首筋にかけても固まってきた。頭痛も始まったようだ。
「滝見で終わりだろうな…」と思いながら登っていくと、ワゴン車から出てきた男の子と女の子がオレンジとお菓子をくれた。「ありがとう!」とお礼を言って、車の脇のお母さんにも「いただきます」と頭を下げる。きっと、お父さんが出場しているのかな?
しかし、有難い応援にも関わらず、走れそうな勾配であっても、ひたすら歩くしかない自分…。去年もそうだったが、65kあたりのこの付近が、一番気持ちが切れやすいような気がする。
さて、68kの南相木エイドを過ぎ、滝見まで3kを切った辺りで、後ろから抜かれたのが、なんと EnjoyLifeさん だった!
偶然だったけど、嬉しい出会いでした。「トレマンさん、辛そうでしたね…」というお話をし、自分も、もう身体が冷えて限界だから、滝見でリタイアするつもりです、と宣言した。
「温泉入って温まれば…」という話にもなったけど、着替えもないしね~。温泉出てから、また濡れたウェアでこの風雨の中を歩くかと思うと、ちょっと無理かな…。
でも、時間はたっぷりあるので、「滝見でゆっくり休んで考えます」ということにして、「頑張ってくださいね!」とお見送りした。まだまだ元気そうだったので、自己ベストは間違いなさそうだな、と確信した。
さて、その後も歩き続け、大勢の後続に抜かれながらも、なんとか滝見の湯に到着。とりあえず、暖かい蕎麦を一杯食べる。
「あ~、やっとこの寒さから開放される~」
テーブルの上の、葡萄、苺、チョコボール等を次々に食べまくる。
目の前のテントに、毛布に包まったランナーが2名ほど。俺もこの仲間入りか?
しばらくエイドの前をうろうろする。
もう一杯、蕎麦を食べる。
と、身体が温まってくると同時に、思考能力が回復してくる。
「本当に精一杯やったと言えるの?」と自問する。
「リタイアの敗北感と罪悪感と自己嫌悪は、諏訪湖で懲りたんじゃないの?」と自虐モードに入る。
ちょっと下ったテントに、「リタイア受付」の看板を見つける。
スタッフに、恐る恐る尋ねる。
「今リタイアすると、バス何時に出ますか?」
「15分後です。リタイアですか?」
…う、タイミング良すぎるよ、まったく。
「いえ…。もう少し考えます。」
やっぱり、こんなに簡単にリタイアしちゃマズイだろ…。
蕎麦食って休んでたら、もう少し歩こうという気になってきた。(走る気はサラサラないけど…)
どうせ、馬越峠は歩きで越える予定だったし、もうしばらく行ってみるか!と、やっと腰を上げる。
さっきのスタッフに、「もう少し続けます」と伝える。
が、峠方向に10mほど進んで、また引き返し、エイドでWGHProを投入。我ながら、往生際が悪い。
(ここを出発するということは、ほとんど、最後まで行くということに等しい。川上村公民館まで下ったらリタイアしないと思うから。)
チョコボールを食べて、さらに、ファイテンのブースで、CW-Xを膝まで下ろし、臀筋にクリームを塗りこんでもらう。(←今日は、ちゃんとパンツはいてます!)
到着してからここまで7分30秒の葛藤。ようやく、再スタート。但し、いきなり歩いてますが…。
- 71k 滝見の湯 出発予定:7時間36分 実際:7時間54分 (前年実績:8時間3分)
三川までは、走れる程度の登り坂だ。去年は、馬越峠の入口までは、颯爽と駆け抜けた。でも、今回は無理です。走れません。
ひたすら歩きます。…が、歩くと、こんなに遠かったのね…。途中のエイドで軽く補給して、ようやく馬越峠の分岐点に到着だ。
ふと思いましたが、写真を撮った位置って、自分の余裕度と一致しますよね…。小海のお婆ちゃんのエイド以降、ここまでカメラ出そうって気にならなかったもんね…。
このときは、「よくここまで辿り着いたよ」って気分でした。
さあ、ここからは、歩いてても、そんなに違和感ないよ。周りも歩く人が多いから、ちょっと気が楽。
すると、かなり前から、自分の前や後ろ、道の反対側を歩いていたランナーさんに声をかけられた。県内の方でした。今年が3回目で、11時間狙いだったけど、前半飛ばしすぎて膝を痛めて、完走狙いで歩いてきたという。
同じように歩いている自分に気がついて、「ほかにも歩いてる人がいる!」と心強かったそうだ。(知らないうちに、お役に立ってたのね、あたし…。ちょっと複雑だけど…)
で、その方とお話をしながら峠越えをすることに。歩きの割にはよいペースで、グイグイと登っていく。意外と周りには誰もおらず、中間エイドまで、1~2人をパスした程度。終盤に差し掛かると、先行するウォーカーに追いつき始め、あらためて急勾配に感嘆しながら、なんとか峠の頂上へ到着。
ここで、WGHProを補給。同伴の方は、道中で、「下りは走るかも」と言ってたけれど、やっぱり膝が心配なようで、歩き始めた。一方、自分は、「無理しない」と言ってたけれど、何人かが駆け下りるのにつられてJogペースで下り始めることにした。
- 79k 馬越峠 出発予定:8時間48分 実際:9時間16分 (前年実績:9時間18分)
~ (またまた)続く… ~


(゚∀゚)やっぱ蕎麦って効くんですね!!
うさ吉さんほどの方でも本当にリタイヤ考えてたんですね。
私は滝見では両手を挙げてゴールする方、100km通路を通ってからバス乗り場に左折して行く方を複雑な思い出見ながら峠を目指しました。
三川分岐の道路標示は記憶にないです。隣のランナーさんに「馬越峠はもう始まってるんですか?」って聞いてましたから。
峠は確かに「浅川ボルダー」に似てましたね。登りは当然歩きですが抜かれまくって、この時点では落ち武者の気分です。「止まったら死ぬぞ!」と自分に言い聞かせて歩いてました。
そうですね。あらためて考えると、今回は蕎麦で生き返ってますね~。
U井さん、本当に、浅川ボルダー+三登山麓林道で、野辺山シミュレーションは完璧だと思います。
今回は、序盤の15kくらいから「リタイア」をずっと意識してました…。
きつかったです。
前半の貯金で、心に余裕が出来たのもあったんですかね。
私は、滝見を出発した後の、一気にランナーが少なくなるのが凄くさびしく感じます。
今年は本当に馬越峠であまり人に会いませんでした。リザルト出ましたね。完走率は67%だそうです。