身支度をして荷物抱えて玄関を開けた瞬間にびびった。
ここまでの積雪は予想外だった。しかも、現在進行形でどんどん降ってるし…。
車を走らせながら、ランシューしか持ってこなかったことを悔やんだが、後の祭り。できれば、スキー用のフェースマスクも持って来るべきだった。いつも通りに、普通のマスクはしてたけど。
前日、急遽調達したゴアのグローブと、長袖のファイントラックのお陰で、走り出したらあまり寒さは感じなかった。上松五叉路では、一枚脱いでもいいかな、くらいだった。
最初は先頭グループに一緒にいたが、雲上殿あたりの下りでペースが上がったのを契機に離脱して、ほぼ単独走行に徹した。
ウルトラ系を走りきるのに必要なことは、自分の設定プランを忠実にキープすることだと思っている。集団だと、多少きつく感じても、離れるのが嫌で、無駄に心拍を上げてしまうことがままある。また、下りでペースを上げないことも重要なポイントだと思っている。
なによりも、一人で走るのがウルトラの醍醐味だと思っている。自分は、そんなタイプだ。
地蔵平への登りが始まると、路面状況が輪をかけて悪化してきた。先行者の踏み跡意外は踝まではある新雪だし、轍もシャーベット状で、水分を多く含んでいる。
ランニングシューズのメッシュ生地を通して、足から体温が奪われていく。
10km地点のきのこ会社の自販機通過時点でも、ペットボトルの水はほとんど消費していなかった。小川村ロマン館までもつかも、と思った。(←結果的に失敗)
遠くに、時折先頭グループの背中が見えていた。
小田切郵便局の少し前で、75km組のT内さんが追い付いて来て、少し言葉を交わして先行していった。
15km小田切局:1時間45分(@7’00) 予定より、若干速いが、まあ安定していた。
これ以降、元気な75km組に時々抜かれて行った。ここまで、設定よりも若干速めのペースで推移しているので、これ以上ペースアップするつもりはなく、淡々と見送る。
100km組のK津さんと、しばらく一緒になった。「『勝手に野辺山』」開催しちゃいましょうかね?」なんてことを喋りながら走っていた。
七二会の交差点を過ぎたあたりの登り坂で、補給食を採る為にペースを落とした。
21km七二会:累計2時間25分(17分のアドバンテージ)
苦桃あたりから、単独走行に移行。予定よりも貯金があるので、終盤を想定して温存する。
28km過ぎの音楽堂通過付近に、着信あり。クライアントさんからだった。
電気工事業者のチョンボがあって、ちょっと良からぬ事態が発生したらしい。
「今、大丈夫ですか?」
「七二会から小川村に向かって走ってるんだけど…」
「あ、白馬でスキーですか?」
「いんや、自分の足で走ってるんだけどね…」
「こんな雪の日に何やってんすか!」
「…その意見に私も激しく同意します」
20分以内に駆けつけられれば別だけど、そうでなければ何時でも一緒。今夜のバッチ処理は回さなきゃならんけど。最悪夕方までに来て欲しいというので、とりあえず、鬼無里のバス停まで行かないとどうにもならないことを伝え、あとで連絡することにして続行。
…テンション急降下は言うまでもない。(ちなみに、24時間拘束される契約を結んだ覚えはないんだが…)
雪は収まった代わりに、時々強風が吹きつける。地吹雪みたいに崖下から湧き上がってくるかと思えば、頭上の枝から爆弾のように雪の塊が降ってくる。
もうすっかりびしょびしょになったマスクだけど、ないよりはマシだった。呼吸が苦しくなると外し、顔が冷たくなると、また覆う。
シューズの裏に雪団子が出来るので、全くグリップが効かない。10%の登り坂を、ブオブオとエンジン吹かしながら尻振って登ってく車みたいな感じで、無駄に脚力を消耗する。
ペースはマラニックなんだけど、そういう春を予感させるイメージは一切存在しない。ま、最初から、起伏系トレーニング不足解消の鍛錬シリーズ第一弾で参加してるんだけど、それにしてもコンディションが最悪の極みだ。
コース自体は完全に頭に入ってるつもりだったので、地図は全く見ていない。が、その過信で、一箇所コースアウトしてしまった。分岐を一本早く曲がってしまい、「こんな道登ったっけな~」と思いつつ、黙々と登ってしまった。
幸いなことに、行き止まり(除雪してなくて通行不能)でミスコースを確信し、10分ほどのロスで復帰できた。
31kmやきもちや先の分岐:3時間43分(ロストしたけど、まだ17分のアドバンテージ維持)
ここから小川村のアルペンドームまで、水は切れて、予備水も残り少なくなり、エネルギー系ジェルの甘さが嫌で摂取を見送った。
へたれてノロノロ歩いてるところを、この日3回目の遭遇の虻蜂さんに証拠写真を撮られてしまった。
時々、風が止んで陽射しが戻ると、ちょっと良い景色にも出会えたりした。
ようやくアルペンドームの屋根が見え(←ここまでが実に長かった…)、36号線を右折するが、この坂はゆっくりペースでも走れなかった。
ようやく小川村ロマン館の自販機に到着し、寒風吹きすさぶ中、ペットボトル500ml 2本を一気に飲んだ。ジェルも流し込んだ。
その先の飲食店で、takoさんら先行グループと遭遇。温かい蕎麦を食べていた。どうせならこっちで休憩すれば良かった…と思いつつ、挨拶だけして、鬼無里へ急ぐ。とりあえず、バスの時間を確認しなければ。
水分が足りたせいか、下りは快調に一気に標高差350mを駆け下りた。やっぱり、下りは好きなんだよな。スタミナなくてもなんとかなるし。
それにしても、あと何キロで着くんだ?とっくに45km超えてるけど…。
48km鬼無里支所:6時間10分(アドバンテージが消えたけど、ロスト含めて3km余計だったので、まあ想定通りのペース)
で、バス停までトボトボ進んで発車時刻を確認すると、あと1時間40分バスが来ない。
長いな~。走ってるとまだ良いけど、立ち止まると一気に身体が冷えてくる。
白馬方向に200mほど行けば、温かいストーブと鍋焼きうどんのある道の駅があることを知っている私…。
…しばし葛藤。
で、結論。1時間40分あれば、戸隠まで行けるから、そこからバスで帰ることにして連絡。
そのうち、後方に蕎麦グループが現れ、道端で電池交換している間にパスされた。(で、結局、電池探しが面倒で測定中止。ヘッドランプとハンドライトの電池はしっかり保管場所を覚えてたけど、GPSロガーの電池は場所を忘れてた…。ま、どっちでもいいことだし。)
戸隠から先は2週間前に試走してるから、よつかどまで行けば、とりあえず全コース制覇じゃん(分割払いだけど…)。
すっかり気持ちは終焉を迎えてしまったので、ノロノロと戸隠へ向かう。ペースが遅いので、寒い。時々突風が吹きつけるのに耐え切れず、路傍のバス停小屋に飛び込んで着替える。
予備でもってきた、陸上用のウインドストッパーベストを、ソフトシェルの上に重ね着した。ついでに、荷物を降ろして腰掛けて、あんぱんやらミックナッツなどを食べながら、しばらくボ~ッとしてた。
さて、行くか、とガラガラと引き戸を開けて外に出ると、ちょうどU井さんに遭遇。ついさっきまでK津さんが近くにいたらしい。ずっと先に行ってるかと思ってたので、ちょっと意外だった。
そこから戸隠まで、U井さんと一緒。いろんなお喋りしてた。
バスの発車時刻まで余裕があったら、「よつかど」で蕎麦食べましょうか、という提案をしていたのだが、宝光社バス停に到着後、どんぴしゃの15分後にバスが来ることが判明し、ここでU井さんをお見送り。
自販機でホットミルクティーを飲んで身体を温め、無事、長野駅行きのバスに乗車。14時半くらい。暖房が効いてて助かった。携帯でリタイアを伝え、キャラメル舐めながら、小一時間のバス旅行。
長野駅到着後、乗り換え3分の長野電鉄にダッシュで飛び乗り、信濃吉田駅へ。そこから携帯で喋りながら、運動公園駐車場へ走って、無事帰還。大体62~3kmは走ったような。
車の暖房をガンガン利かし、そのままハンドル握ってスクランブル発進。途中、流石に身体が冷えて歯がガチガチ言い出したので、スーパー銭湯を瞬間利用して着替え、無事にお仕事も全うできた。
終わってから、一挙に疲労の波に襲われた。途中、何度も休憩しながら帰宅した。いつのまにか雨が降っていた。
全コース完踏された方には、心から敬意を払いたい。
今回のコース高低図(鬼無里のちょっと先まで)
どう考えても、今の自分に最後まで走りきる力はなかったな。
野辺山は中止になっちゃったけど、もともとトレーニングは6月から、と見込んでいた自分なので、考えようによってはあまり大きな計画変更にはならないはずだ。
じっくり夏場に走りこんで、(開催されるなら、)秋レースでその成果を発揮したい。

あんな状況でお仕事コールとは。。。お疲れ様でした。
しかし今回はまさに虎の穴耐寒ラントレってところでしょうか。
見事なくらいにハマってましたね。
tako様、お疲れ様でした。
自分の体力低下を思い知りました。
お呼び出しコールをバックレようとしていた事実は秘密です…。(^-^;
うさ吉さんお疲れさまでした。
寒かったですね~。
時間配分、参考にさせていただきました。
大変役立ちました。
クライエントさんとの会話が笑える。
何十キロ走るのさえ不思議なのに、山道、さらにはあの風雪の中、当に超ウルトラMの世界です。
小生、雪の中のMTBスリルあって楽しかったですよ。登りでランナーに抜かれるのは悔しかったけどね。
ブブタンW田様、はじめまして。
完走おめでとうございます。素晴らしいですね!
あのコンディション下で完走されるのは、並大抵の精神力ではないと思います。
時間配分…最近、自信があるのはこのジャンルだけになりつつあります。(。>0<。)
abu8kg様、お疲れ様でした。
2度目の遭遇時、除雪車の手前でセンセーの後ろを走りながら、「車輪が空転してんじゃん!」と思ってました。
山村で雪掻き中のお婆ちゃんに、「お疲れさん」と声をかけてもらいましたが、あの眼は、明らかに「馬鹿じゃないの?」って訴えてました…。
土曜日は一番中だるみして辛そうな区間をご一緒していただき、ありがとうございました。
霊仙寺湖には18時50分に着いて、21時前にはゴール出来ると思ったのですが、その後の下りで胃が、、、なかなか上手くいきませんね。
5月に私的な野辺山で又逢えますかね?
U井様、完走お見事でした!自分も嬉しいです~。
目的を失った自分が同伴しなければ、もっと早く戸隠に到達されたのではないかという後ろめたさも半分あったりします…。
新緑の季節に爽やかな風を感じて走りたいですね。(氷水は当分ご勘弁です…)