ロードレースのトレーニングの一環でトレイルも走っている自分ですが、このたび、トレイルレースなるものに初チャレンジしました。その様子をご報告します。
【前 日】
当初、「曇り時々雨、降水確率70%」という一縷の望みを抱かせた天気予報も、金曜には「80%」になり、土曜日の出発までには「雨 90%のち100%」と腹を括るに十分なものとなっていた。 14時前に自宅を出発した時には、よく晴れて暑いのなんのって。でも、志賀高原に近づくに連れて雲の色が濃くなり、や~な感じの風も吹き始めて、受付会場に着いた頃には、ポツリポツリとフロントガラスに水滴が…。
OSJの大会がそうなのか、トレイルレース自体がそうなのかわからないが、大音響のスピーカから若者向けの音楽がガンガン流れてた。 周りを見回すと、参加者の服装も、ロードレースのそれとはかなり異なる雰囲気だ。受付を済ませ、さっとブースを物色して、早々に宿泊先へ退散した。
遠征の宿泊はいつもWebで検索して予約しているのだが、本日の宿は、偶然にも、弐号のかつての同級生が経営するロッジだった。しばし、ミニ同級会のご歓談に混ぜてもらう。
競技説明会兼パーティまでには2時間ほどあったので、ゴール地点へ預ける荷物を選択したり、ゼッケンの装着位置を試行錯誤しながら明日の準備をする。「雨で決まり」の予報なので、ある意味、迷いは少ない。
説明会は18:00開始。15分ほど前に会場のホテルへ向かうと、フロントに人が溢れていた。やがて、ホールへ案内され、一番前の方に陣取ったが、説明会には○、 乾杯後の料理争奪戦では×だった…。
話によると、エイドのスタッフは、山頂まで大量の補給水を運び上げ、今夜は雨の山中でテント泊するらしい。
頭が下がります。ぺこり。
コース説明のほかに、スタート順の説明があった。レベル順に4~5ブロックに分けて並ぶらしい。基準は、フルマラソン、ハセツネ、北丹沢の持ちタイムなのだが、フルで3時間半以内だと、レベル1(=先頭グループ)に分類されるらしい。「マジっすか?」と、半信半疑だったが、初めてのトレイルレースなので、主催者の言葉を信じるしかない。明日は先頭グループ(の後方)に並ぶことにしよう。
19:00頃にジャンケン大会が始まった頃に会場を抜け、ロッジに戻り、混雑する前にまず入浴。広いお風呂で気持ちよかった~。
今日は素泊まりなので、昼間下界で調達してきた夕食を食べ、荷物の最終チェックを済ませて22時に就寝。軽い小雨が降り続いていた。
【当 日】
夜半からかなり強い雨が降っていた。 わかっていたことだが、やっぱり多少は気が重い。 4:00に起床し、 と大福とエナジーバーで朝食を済ませ、いざ出陣。
一ノ瀬のロッジからスタート地点の高天ヶ原まで、1k弱を傘を差して歩く。 ゴール地点行きの荷物を預け、出走確認カードを提出し、あとはスタートまでストレッチしながら雨宿りをして待機。
雨脚はどんどん強くなってくる。レース中に写真を撮ってる余裕はなさそうなので、今のうちに証拠写真をパチリ。
15分前にスタート位置に並ぶと、ひとつの疑問が浮上。「なんで、逆方向を向いてるの?」 一ノ瀬を通過して山に入るはずなのに、一ノ瀬に背を向けて整列してるのだ。どこかで迂回するんだろうな~と思っていると、アナウンスあり。
「コース状態が非常に厳しいので、野反湖についた時点でゴールとします。26k弱です」とのこと。まあ、この雨じゃ仕方ないでしょ。中止になっても納得したと思うよ、多分。
スタートを待つ間、隣のお兄ちゃんが「寒い、寒い」を連発してた。「山の上はもっと寒いんですよね?」と尋ねられたので、一応、寺小屋まで試走していた自分は、「たぶん4℃は下がると思うよ。風も強いらしいし…」と答えておいた。
しかし、周りを見渡すと、ノースリーブにランパンで雨具なしなんて猛者もいる!「マジで死ぬぞ…」と他人事ながら不安になった。
6:00になり、いよいよスタート。直後に、さっきの疑問解消! いきなり、ゲレンデを走って登り出したのだ! 「うそぴょ~ん!インド人もビックリ 」 心拍計、早くも160です。これは、自分のハーフマラソンに匹敵する数字だ。
200m位を登って、隣の一ノ瀬ゲレンデまで連絡ルートで繋ぎ、 ファミリースキー場を下りながら横断して一ノ瀬のシングルトラック入口へ向かわせるという作戦だ。渋滞緩和のための振い落としだね。
ショートスパッツ装着してきたが、雨水をたっぷり吸い込んだゲレンデの牧草で、すでにソックスまでナイスなお湿りでございます~。
ここまで12分。まずまずのペースでシングルトラックに突入。渋滞とも無関係で用水路沿いに進みます。たぶん5分台後半くらいのペース。武右衛門沢を渡り、アライタ沢へ。予定30分に対して、所要時間20分。「頑張れ~」というスタッフの声援に「ありがとう~ 」と応える。問題はこの先からだよ~ん。
早速、ノッキリまでの最初の難関、急階段の出現。でも、試走で折込み済みなので、余裕だ。右側を追越し用に空けて、左半分をグイグイと登ってゆく。登山道は、雨と雪解水で、沢と化していた。(でも、今思うと、この辺りはまだ全然可愛いもんだった…)。
ノッキリまでは全部歩いてもいいと思ってたが、周りが走ると自分も走ってしまい、結局、47分の予定に対し、33分でノッキリ通過。試走時の残雪はすっかり消えてなくなってた。
(スタート~ノッキリ 約7K::9’14ペース)
ノッキリから寺小屋峰までは、晴れてれば最高の景色だが、今日は何にも見えない。 残念でした、またどうぞ。
前を行くランナーの背中と足元だけを見ながら、同じペースで付いていく。前が走っている間は、自分も走る。前が急坂を歩けば、自分も歩く。野辺山の終盤と同じだな、と思いながら、でも、「今日は生命の危険と隣り合わせかも…」と慎重になる。なんせ、寒いのよ。標高2000m超えてて、大雨と強風だもの、あなた。
後ろのランナーが熊除けの鈴をつけていて、これが結構気になりだした。鈴によって、音色もいろいろあるんだよね、高音やら低音やら。でも、しょうがないよね、我慢、我慢。
この区間、試走の時には雪原がかなりあったのだが、今日は、池や沼に変身していた。 なるべく端のほうを選んで走るのだが、途中からは、「いまさら変わんね~よ」と、バシャバシャ中央突破も図るようになった。すでにシューズは水浸しで、スパッツの有無は一切関係なくなっていた。
寺小屋の1~2k手前の段差のある急な登り坂で、隣のランナーが「あ~!XXセンサー落とした~。マジかよ~!」と叫びながら、今来た道を戻って行った。 シューズに付けていた、スントか何かの速度センサーを落としてしまったようだ。「見つかるといいね~(でも、多分厳しいよね…)」。
寺小屋通過が29分。予定は45分。かなりペースが速いが、距離も短縮されてるし、なによりも、天候がどんどん悪化していくのがわかってるから、少しでも早くゴールにたどり着きたいのだ。そんなわけで、給水もパスして休憩もなし。左折して、未知の赤石山へのルートを下り始める。(ちなみに、ハイドレーションに1Lのアミノバイタルハイポトニックと、別に水400ccのボトルを装備してて、量的にはかなり余裕)
いきなりかなりの急傾斜が続く。ここから先は、記憶が曖昧…。いくつかの峰を越えたんだけど、イメージがほとんど一緒…。試走の有無は大きいね。
とにかく、走れそうな下りは走って稼ぎ、危険を感じる沢下りは、樹の枝や幹に掴まりながら安全第一で足場を確保。 倒木は(滑るから)なるべく足をかけずに跨いで渡り、膝丈を超える沼は…運を天に任せて爆走するしかない 。
しかし、実際、何度も神様に裏切られたよ…。走りながら勢いよく沢に突っ込んだとたんに、右足がズボッ。靴脱げそ~! 次の瞬間、根っこか何かが靴紐にからむのか、右足緊急制動 (超高性能のスタッドレスタイヤか!)。 物理の法則に則って、上体から大転倒→ 全身水没 → 頭から泥まみれ →苦笑い(するしかない )、の繰り返し。もうすっかり全身びしょびしょの濡れ鼠。 ポ、ポポポポ…♪(←これはギロッポンの鼠先輩…ゴメン)
一方、登り坂は、足場をみつけながら(基本的には前のランナーのステップを踏襲しながら、)這い上がり、泥でズルズル滑るところは、樹の幹を掴んで身体を持ち上げ、スピードよりも体力温存優先でじっくり進む。
参ったのが、ピーク(山頂)に向かう手前の吹きっ晒しエリア。 遮るものがないから横殴りの暴風雨が頬を叩きつけ、たまに雹が当たったような気がしたのはあたしだけですか?
立ち止まると体温下がるから歩き続けたんだけどさ、身体は休みたがってんだよね。 なんせ、立ってるだけでも脚が攣りそうな傾斜なんだもん。
それでも、なんとか赤石山に到着。予定40分に対して、36分。だんだんペースが落ちてきたよ。
「14Kで~す!」とスタッフが叫んでたのはこの辺りだったかな? でも、14k終わったのか、残り14Kなのかわからなかった。気持ち的には、14K終わって、あと12kくらいだ!と勝手に都合よく解釈したけど…
(ノッキリ~赤石山 約5.5K: 11’03ペース)
手首のリストバンドのビニールケースの内側に、ポイント毎の通過予定時刻をテプラで貼っておいたのだが、水で剥がれて勝手に位置が移動して(?)順序が怪しくなってしまった。 「お前ら、勝手に移動するな!ゲルマン人か!」
しかも、予定所要時間と区間のアップダウン図を書き込んでたんだけど、インクが溶けて解読不能に…。ここはどこ? わたしは誰? あとどのくらい登りが続くのかとか、次のピークまでどのくらい距離があるのかとか、ちょっと計算しないとわからなくなっちまった。
仕方がないので、この先、スタッフに遭遇するたびに、「ここはどこ?」と聞きながら走る羽目になった。
< 後編に(多分)続く… >